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20 Jul 2026 ・ 7 min read

非エンジニア向けAI研修の選び方——比較すべき5つのポイント

非エンジニア向けAI研修の選び方——比較すべき5つのポイント

非エンジニア向けAI研修の選び方で最も重要な基準は、知名度や価格ではなく「受講後に現場で使われるか」です。自社業務への当てはめ・講師の実践度・研修後のフォローなど5つのポイントで比較すれば、受けさせたのに誰も使わない研修を避けられます。

僕はAIVESTという会社を経営しながら、非エンジニア(経営者・実務担当)向けにClaude Codeのセミナーや講座を主催してきました。この記事では、講師側から見えた「使われる研修と使われない研修の差」をもとに、比較すべき5つのポイントを解説します。

非エンジニア向けAI研修とは?——選び方の前に知るべき2つのタイプ

非エンジニア向けAI研修とは、コードを書かない社員——経営者・企画・営業・事務といった実務担当——が、AIを自分の業務で使えるようになるための研修です。プログラミング研修とは別物で、ゴールは「AIを理解すること」ではなく「自分の業務でAIが使えるようになること」に置かれます。

選び方の前に知っておきたいのは、世の中のAI研修が大きく2つのタイプに分かれることです。

  • ツール操作型(AIリテラシー研修): ChatGPTなどの操作方法と、プロンプト(AIへの指示文)の書き方を教える。集合研修に向き、費用も比較的安い

  • 業務組み込み型: 受講者の実際の業務を題材に、「どの業務をAIに任せるか」を決めて、仕組みとして動くところまで作る

ツール操作型と業務組み込み型の2タイプ比較図

どちらが優れているという話ではありません。全社員の抵抗感をなくす入口としてはツール操作型が機能しますし、業務の成果につなげたいなら業務組み込み型が必要です。

ただ、講師をしていて痛感するのは、「操作を知ること」と「自分の業務で使うこと」の間にある段差の大きさです。「研修は受けたが、翌週には誰も使っていない」が起きるのは、たいていこの段差を越えないまま研修が終わるからです。この段差を埋められる研修かどうかを見分けるのが、次の5つのポイントです。

AI研修の選び方——比較すべき5つのポイント

パンフレットに並ぶ情報——受講形式・価格・扱うツールの新しさ——では、使われる研修かどうかは見分けられません。「受講後に現場で使われるか」から逆算した、5つの比較ポイントがこちらです。

カリキュラムを「自社の業務」に当てはめられるか

一般的な例題(メール文案、議事録の要約など)だけで進む研修は、受講者が自分の業務に翻訳できないまま終わりがちです。自社の業務を題材として持ち込めるか、事前ヒアリングがあるかを確認してください。

講師が「実際にやっている人」か

教材を教える人ではなく、自分の会社や業務でAIを日常的に回している人か。「あなた自身はどの業務をAIに任せていますか」と質問して、具体的な答えが返ってくるかで見分けられます。

研修後のフォロー(伴走)があるか

使われるかどうかは研修当日ではなく、翌週以降に決まります。質問できる場や、定着まで一緒に手を動かして運用に載せる支援があるかどうかは、単発講義との最大の差です。

ツール操作でなく「任せ方・仕組み化」まで教えるか

操作方法はツールの更新ですぐ古くなりますが、「どの業務をどうAIに任せるか」という設計の考え方は残ります。うまくいった指示文を手順書として残し、繰り返し使える仕組みにするところまで扱う研修を選んでください。

成果の定義が明確か

「AIがわかるようになる」ではなく、「どの業務の何が、どれだけ変わるか」を研修側が言えるか。成果の定義が曖昧な研修は、受講後に効果があったのかどうかの評価もできません。

AI研修で比較すべき5つのポイントの図解

5つの中で最初に確認してほしいのは①です。僕がセミナーを設計するときは、参加者の「いまの仕事と、自動化したい業務」を事前に聞いておき、当日はその業務を名指しで「この仕事なら、こう任せられます」と当てはめて見せるようにしています。ここまでやって初めて、受講者の中で「AIの話」が「自分の業務の話」に変わるからです。逆に言うと、この翻訳を受講者任せにする研修は、内容がどれだけ良くても使われません。

②は、見分けるのが簡単なわりに効果の大きいポイントです。AIの進化は速く、教材の内容が数ヶ月で実態と合わなくなることは珍しくありません。自分で日常的に回している講師なら、教材の外から来る質問——「うちの業界のこの業務ならどうなりますか」——にもその場で答えられます。

講師側から見た「受講後に使われる研修・使われない研修」の差

僕は経営者や実務担当の方向けに、Claude Code(Anthropicが提供するAIエージェント。指示を渡すと自分で調べ、作業し、成果物を作るところまで進めるAI)のセミナーや講座を主催してきました。講師側の実感として、使われる研修と使われない研修の差は、かなりはっきりしています。

一番の分かれ目は、受講直後の感想です。「すごい」で終わった研修は、使われません。「すごい」は見る側の感想、つまり他人事だからです。使われる研修では、感想が「うちのあの業務、これでできますね」に変わります。デモの内容が、自分の業務に翻訳された状態です。

だから僕は、セミナーで実演を見せるとき、結果の画面の派手さではなく「いま何を指示したか」——実際に打った日本語の指示文——を必ず開示するようにしています。すごい結果よりも、「この程度の日本語でいいのか」という発見のほうが、翌日の行動につながるからです。

実演で一番反応があるのは、結果の画面ではなく指示文を見せた瞬間です。「これなら自分にも書ける」と思えたかどうかが、翌日使うかどうかの分かれ目なんですよね。

もうひとつ、講師として正直に伝えていることがあります。研修やセミナーの直後に「できそうだ」と感じても、そのあと1人に戻ると、多くの人が同じ3箇所で止まるということです。

ポイント
  • 最初の環境: インストールや初期設定でつまずき、触る前に熱が冷める

  • 最初の型: 例題はできたのに、自分の業務をAIへの指示文に書き下せない

  • 継続: 日常業務に飲まれて、数週間後には研修前のやり方に戻っている

これは受講者の才能ややる気の問題ではなく、順番の問題です。どの業務から、どの順で仕組みにしていくかという道筋を持たないまま歩き出すから止まります。比較ポイントの③(フォロー)と④(仕組み化まで教えるか)を重視すべき理由は、まさにここです。この3箇所を研修側が一緒に越えてくれるかどうかが、「受けて終わり」と「現場で使われる」を分けます。

研修を選ぶ前に社内でやっておくべき準備(業務の棚卸し)

研修の成果は、実は申し込む前に半分決まります。やっておくべき準備は1つだけ、業務の棚卸しです。

AIに任せやすい業務には条件があります。

  • 毎回ほぼ同じ手順で進む(定例レポート、リサーチ、下書き作成など)

  • 成果物が文書・表などのファイルで残る

  • 間違えてもやり直しがきく

部門ごとに週次・月次の定型業務を書き出し、この3条件に当てはまるものに印をつけて、「AIに任せたい業務」を3つまで絞ってください。ここまでやってから研修を受けると、講師の話をすべて「自社のあの業務」に引きつけて聞けるようになります。

研修前にやっておく業務の棚卸しの図解

このリストには、もう1つ使い道があります。検討中の研修会社に、そのままぶつけることです。「この3つの業務は、研修後に自分たちで自動化できるようになりますか」と聞いたとき、具体的な当てはめの答えが返ってくるか。返ってこないなら、比較ポイントの①と②を満たしていない可能性が高い。業務の棚卸しリストは、そのまま研修選びの試金石になります

非エンジニア向けAI研修のよくある質問

1人で受講するのと全社導入、どちらが先ですか?

まず1人が先です。経営者本人か、業務を深く知る推進担当が受講して、自社の業務で動く成功例を1つ作ってから広げるほうが定着します。全社一斉のリテラシー研修から入ると、「全員操作は知っているが、誰も業務で使っていない」状態になりがちです。

まとめ——自社に合うAI研修を選ぶために

この記事の要点は3つです。

  • AI研修は「ツール操作型」と「業務組み込み型」に分かれ、現場で使われない研修の多くは操作型止まり

  • 比較の軸は5つ。自社業務への当てはめ・講師の実践度・研修後のフォロー・仕組み化まで教えるか・成果の定義

  • 申し込む前に業務の棚卸しを済ませ、そのリストを研修会社への質問にそのまま使う

研修は、受けさせて終わりではありません。「どの業務をAIに任せるか」を決めて、仕組みとして動くところまでがセットです。非エンジニアがClaude Codeで業務をどこまで任せられるかは、こちらの記事で具体的に解説しています。

関連記事Claude Codeで業務効率化を始める方法【経営者向け】Claude Codeは開発者専用ではありません。リサーチ収集・記事下書き・計測レポートといった会社の定型業務を任せて回している僕の実運用と、経営者が最初の1週間で踏む5ステップを解説します。

僕自身も、非エンジニアの方が業務でAIを使えるようになるためのオンライン講座を主催しています。録画教材とグループ勉強会を組み合わせた伴走型で、この記事で書いた「使われる研修の条件」を自分の講座で実践し続けている立場です。

自社に合う研修の選び方や、どの業務から任せるべきかを整理したい方は、こちらからご相談ください。

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戸野塚 蓮

戸野塚 蓮

株式会社AIVEST 代表

株式会社AIVEST。AI活用オンライン講座・AI顧問・受託開発を通じて、 個人と企業のAI活用を支援しています。

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